分詞構文は現在分詞や過去分詞、形容詞などを使って時、理由、譲歩、条件、付帯状況、逆接などを表します。それらの書き換えをひとつひとつ検討していきます。
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1.現在分詞でときを表現
主節の意味を理解したうえでArriving at the airportの意味を判します。
When I arrived at the airport, I found the airplane had been delayed more than scheduled.
Arriving at the airport, I found the airplane had been delayed more than scheduled.
空港に到着したとき飛行機が予定より遅れていることに気が付いた。
従属節のwhen I arrivedと主節の I found の主語が一致していますので主語は省略です。接続詞のwhenを省略してarrivedを現在分詞のarrivingに変化させます。このarrivingが到着したときという意味になります。
2.完了形を使い理由を表現する
I could not get up early.の理由を考えればすぐわかります。
As I had watched TV late at night, I could not get up early.
Having watched TV late at night, I could not get up early.
夜遅くにテレビを見たのでわたしは早く起きることができなかった。
従属節はhad watched の過去完了、主節は過去形です。このようなときは完了形のhave+過去分詞を変形してhaving watched にします。主語は省略ですね。
おなかがすいていたのはなぜから文を考えます。
The cats were very hungry because they had not been fed.
Not having been fed, the cats were very hungry.
The cats, not having been fed, were very hungry. (feed:餌を与える)
猫たちは餌をもらえなかったのでとてもおなかがすいていた
because they had not been fedが文頭にきて接続詞becauseとthey(the cats)が省略されます。
否定文なので文頭にNotを付けて完了形の受け身になります。餌を与えられなかったのでという意味です。
二つ目の文はThe catsの後にそのまま持ってきてカンマで区切っただけです。
- 現在完了の受け身:have(has)+been+過去分詞
- 過去完了の受け身:had+been+過去分詞
- 未来完了の受け身:will+have+been+過去分詞
3.Not beingとbeingの省略で理由を表す
友だちとテニスをしたくないのはなぜと考えます。
As I can’t play tennis well, I do not want to play it with my friends.
Not being able to play tennis well, I do not want to play it with my friends.
(Being) unable to play tennis well, I do not want to play it with my friends.
私はテニスがうまくできないので友だちとプレーしたくない。
can=be able to、can’t=be unable toを利用した書き換えです。
まず初めにbe able toを使った構文ですが否定文なのでNotを文頭に付けます。そのあとにbeをbeing に変えると完了です。
つぎにcan’t=be unable toを利用した形です。beをbeingに変えます。そのあとはunable toと続けます。なお、beingは省略できます。
通常beingの省略は進行形と受動態ですが、この文のunable(形容詞)が主語の状態を説明しているのでbeingは省略できます。
4.現在分詞で付帯状況(同時進行)を表す
どんなことをしながら絵を描いていたと考えます。
My mother was drawing a picture while she was listening to music.
My mother was drawing a picture, listening to music.
母は音楽を聴きながら絵を描いていた。
接続詞whileをとり、my mother=sheなのでsheを省略して現在分詞のlisteningから始めます。
この文章は絵を描いていることと音楽を聴いている二つの行動が同時に進んでいることを表している付帯状況の分詞構文です。
5.譲歩:ある事実を認め、そのあと違う観点から主張
譲歩:疑念を抱いている。このことは認める。⇒ でも違った観点から受け入れる。
この定義をしっかりと覚えましょう。
Though I have doubts, I want to accept your offer.
Having doubts, I want to accept your offer.
私は疑念を持っているけど申し出を受け入れたい。
接続詞thoughと主語Iを省略します。そしてhaveを現在分詞のhavingに変えて完成です。
6.逆接:主節と従属節の意味が相反している
逆接:幸せ ⇒ 相反して悲しそう
幸せであればニコニコしていてもよさそうなのに悲しそうに見える。
Though she was happy, she sometimes looked sad.
Being happy, she sometimes looked sad.
彼女は幸せであるけれども時々悲しそうに見えた。
接続詞thoughと主語のshe を省略してbe動詞のwasをbeingにして完成です。
この文のbeingは省略できません。beingが幸せであるという状態を示しているからです。
7.条件のifを省略して特定の条件を表す
特定の条件は何かを考える。この場合はアメリカを訪れること。
If you visit America, you must pay attention to the exchange rate.
Visiting America, you must pay attention to the exchange rate.
もしアメリカを訪れるならば、あなたは為替レートに注意を払わなければならない
特定の条件:この場合はアメリカを訪れること
接続詞ifと主語のyouをとってvisitを現在分詞のvisitingに変えます。
8.まとめ
書き換えのルール
- be動詞が使われているときはbeingを使う
- beingが省略可能のときとそうでないときがある
- 一般動詞の場合は動詞にingをつけて現在分詞にする
- 否定文のときはnotを文頭に持ってくる。
- 過去形の文章で行動や状態の順序がはっきりしていれば完了形having+過去分詞を使う
- 現在完了や過去完了の文はhaving+過去分詞を使う
- 付帯状況を表すときは分詞構文が文頭にきたり、カンマを付けて後半に持ってきたりする
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