私たちの生活は、仕事の都合や個々の状況により、さまざまな形をとっています。
しかし、どんなに忙しくとも、家庭教育に時間を割くことは可能です。
お子様と一緒に遊んだり、触れ合ったりする中で、共有する経験や思い出が増えることでしょう。
家庭教育に興味があり、それを実践したいと考えている方々へ、この記事が参考になれば幸いです。
お子様との関わりを深め、家庭教育を通じて豊かな絆を築く手助けになればと思います。
1.空き時間を見つけて指導する
お母さんの帰りが早い場合
お子様が4歳を過ぎた頃には少しお手伝いができるようになりますのでお子さまとお食事の支度をいっしょにするのはいかがですか。
お料理は材料を組み合わせて何を作ったら良いのか考えさせられる仕事です。
この材料の組み合わせがプログラミングに通じるものだといわれています。まさに、幼児教育ですね。
お父さんの帰りが早い場合
お子様といっしょにお風呂に入り小さなスーパーボールやおもちゃの金魚などを使って数遊びをしてみましょう。
お子様の気に入ったもので遊ぶのが良いでしょう。
これに夢中になると、しばらくの間は同じことをしようと要求します。お父さんとしては忍耐力が必要ですが、これで数に対する興味がわくはずです。
そのほか、かるたやトランプ、ウノや人生ゲームなどご父兄がお子様にとって適切だな思われるものはどんどん与えて遊びましょう。
そうしているうちに、これは得意、あれは嫌いとわかってきますのでお子様の方向性が少し見えてくると思います。
2.スマホやパソコンに興味を示すお子様たち
現在、小学校からタブレットを持たせて学習に利用していますが、これは大変やっかいな問題です。
それは使い方によってはメリット、デメリットがあるからです。
また使用にあたっての前提条件が一番大事だと常日頃考えています。
それはスマホでゲームやSNSに夢中になっているお子様が増えているからです。
メリット
- 将来のスキルのきっかけとなりえる
- 目的のものを手軽に調べることができる
- 図や映像でリアルに学習できる
デメリット
- 好きなゲームにはまり、手放せなくなる
- 行動の選択肢がスマホでゲームやSNSが1番目になり、他のことがおろそかになる
- 必要もないのにSNSで連絡を取り合うようになる
- 長時間すると目に悪い
使用する前提条件
- 時間を決める
- これとこれの場合のときだけねとルールを決める
- 最初はスマホは料金がかかるのでタブレットかPCを使う(Wi-Fi使用):高学年になると連絡が必要になることもあるのでスマホもよいかなと思います
- 国語力を身に付ける:最低条件として読み書きがきちんとできること
- 質問力を身に付ける:すべての科目の基本的知識を身に付けたうえで、なぜそうなのか、このさきどうなるのかといった疑問を感じられるようになること
これらの条件を考えますと、スマホやPCを与えるのは簡単ですけれど、与える前にしっかりとした取り決めがないとスマホ、PC依存症になりかねません。
教室で見ている限り、机の下に隠してSNSをしていたり、左手で持ちながら学習している子がいました。注意してもいい訳ばかりでした。
3.役割分担を決めよう
例えば、絵本や物語の指導はお母さん、図鑑や社会の仕組みの指導にはお父さんにするといった担当を決めましょう。
お子様が小学生になって、本格的なお勉強をするようになったら、忙しくて時間が割けない方が新しい単元の公式や計算の担当をするのが良いかと思います。
一方時間の余裕があり、じっくりと指導できる方は文章問題の担当が良いかと思われます。
お子さまもあわてずリラックスして取り組むことができますから。
スマホやPCの場合も同様でお父さんかお母さんどちらかです。
そうしないと、操作の仕方がちがうとクレームをつけられて反抗心をあおるだけになってしまう可能性があるからです。
こうして担当を決めたら変えないでください。二人の船頭さんは必要ありません。 お子様は教え方が少しでも違ったりすると迷いますので。
4.ご両親の意見を一致させる
文科省は生徒指導に対して次のようなことを表明しています。
- 問題に対して道筋を立てて試行錯誤をしながら論理的に式を立てること。
- そしてそれを発表できるようになること。
- また、思考力の養成を図ること。
このような方針を基に教育面でお子様をどう導くかについて話し合いをされたらいかがでしょうか。
話し合いのポイント:5つについて参考例を記しましたのでご家族でご相談を。
- 公立中学を目指す場合
- 公立一貫校
- 私立中学
- 私立大学文系か理系か
- 国立理系か文系か
公立中学を目指す場合:まず読み書きを充実させましょう。つぎに問題に対してなぜなのかを考える習慣を付けさせる。最後に自分の考えをまとめられる、そしてきちんと発表できるようにする。
これは時間の空いた土日にするのが良いのではないかと思います。
ご父兄が課題を与えて、お子様が考えをまとめて、発表させるパターンです。
決して形式ばらずに、食卓を囲んで和やかな雰囲気でするのが効果的です。
課題の例
小学校入学前:身近なところからできることを始められたらどうでしょう。
家庭でできる成長の記録の例
へちまや朝顔の種まきから成長を観察する。1週間ごとにお父さんかお母さんの指導のもと観察の絵や成長の記録をつける。
そして成長の様子をみんなの前で発表させましょう。
外出でできる体験例
博物館は国立科学博物館です。幼児が遊べる体験型施設があり、見つける、観察する、表現する教育的プログラムを提供しているそうです。
また数多くのジャンルに分かれていますので皆さんで楽しかったこと、思いがけなかったことなど話題は尽きないと思います。
小学校入学後:私たちの生活がどのようにして成り立っているのか社会科見学をするのがいいと思います。
社会科見学例
お魚市場行ってどんな魚がどんなところから水揚げされているのか調べる。その際ノートと鉛筆は必携です。帰ったらメモをまとめます。そのあとメモのまとめや感想を発表してもらいます。
お薦めは豊洲市場です。見学ギャラリーや展示コーナーもあるので十分楽しめると思います。
このようにして自分の目で観察したものをまとめて発表する。これこそ文部省が目指していることだと思います。
できれば観察したものを本からの情報と照らし合わせることでより深い知識と観察眼が得られるでしょう。
公立一貫校を目指す場合:進路が未定の場合は公立中学を目指す方針で進み、4年生終了までには話し合いで私立か公立かを決定したいものです。
教材対策例
小学校入学時点で進路が決まっている場合は適性検査対策として算数ラボ 考える力のトレーニング10級から始めれば良いでしょう。
また、算数ラボ 空間認識力のトレーニング10級もあります。
適性検査対策例
科学的な面を育てる:博物館などに連れていき興味あるものにふれてもらう。
例えば飛行機はどんな原理で飛ぶのか、燃料はロケットと同じか違うかなど疑問に思ったことを調べる。
お薦めは航空科学博物館 バイプレーンです。千葉県山武郡芝山町にあり成田空港近くです。体験型ミュージアムなのでたくさんの経験ができるでしょう。
その後の作業はその体験等を200~400字でまとめて、お母さんかお父さんに見てもらう。
社会的な面を育てる:私たちの生活に欠かせない電気、ガス、水道について調べてもらう。
例えば電気は火力、水力、原子力発電などがあります。
それらの電気を起こす仕組みやどれほどの量を供給しているのかなどを調べます。
また自分の家はひと月当たりどれほど使い、料金はいくらなのかも興味を持ってもらうと経済的な面でも考えが広がります。
最近は地球環境にやさしい再生可能エネルギーが注目されています。太陽光発電や風力発電、地熱発電などがありますがこれらも調べる重要課題になります。
課題1つに付き200~400字でまとめて、お母さんかお父さんに見てもらいましょう。
私立中学:それぞれの中学で独自のカリキュラムで教育をしているので選ぶのは大変です。
見極めはお子様やご父兄が希望されている中学、高校がどこに力を入れているのかをみるとわかります。それは大学の合格者です。
例えば、国公立大学が多いのか、早慶が多いのかによって中学からの力の入れ具合がはっきりします。
ご父兄がその進学の傾向とお子様の学力を照らし合わせるとおのずと方向が決まってくると思います。
学力対策面:算数は5年生で6年生の学習を終了して残りの1年間は各中学の過去問対策です。
そのほか公立一貫校の対策で挙げたことを実践していけばかなりの実力が付くと思います。
私立大学文系か理系か:高校での数学I,数Ⅱ、数Ⅲまでしっかりできれば理系の可能性がありますが、物理と化学があるのでこの科目も加味しないといけません。
要するに数学、物理、化学、プラス英語が得意でなければならないと思います。
私立文系志望の方は英語、国語が合格の決めてになるので得意科目にしておくことが肝心です。
また共通テストを受けることで私立大学に合格できるチャンスもありますので出願しましょう。
国立理系か文系か:国立理系の場合は私立理系の内容プラス国語、社会が得意だと有利です。社会は共通テストで世界史B、日本史B、地理B、倫理・政治・経済現代社会の中から選べます。
国立文系志望の方は物理、化学を除いて共通テストレベルで生物と地学を選べばよいと思います。
いずれにしても中学生のときから5科目どれも好きというお子様は国立文系、理系を問わず入学しています。
5.まとめ
世の中はすべてのサイクルが短くて、1つのものを追及しているうちに流れが変わってしまいがちです。
でも、お子様への愛情は一貫性をもって注ぎ込んでいけば、必ずや実を結ぶはずです。
そのためにも、ご両親が役割分担を話し合われ、子育てにまい進されることを望みます。
お子様にはお勉強だけでなく、これからの時代を強く生き抜いてほしいと願っているご父兄もたくさんおられると思います。
そんな方々に読んでいただきたい記事があります。
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