ご父兄にとって図形の指導はたいへんです。ですが、基礎となる図形の性質をマスターすれば興味がわいてくるお子様はいらっしゃるはずです。
これが図形に対するステップアップの一歩となれば幸いです。図形の指導でお困りのご父兄は以下の指導法をご覧ください。
読んでほしい対象者:3年生または4年生のいらっしゃるご父兄で定規の使い方や辺、面の見方を指導されたい方。
1. 垂直と平行の指導法

これから垂直と平行の定義を説明してください。

垂直とは2本の直線が90°で交わること。いま交わっていなくても伸ばしていくと90°で交わる線も垂直です。


平行は2つの直線がどこまで行っても交わりません。


これから2つの定規を使って垂直と平行を書いてください。準備するものは2つの三角定規とノートと鉛筆、消しゴムです。
*できない場合はヒントとして2つの定規をくっつけてねと。それ以上は教えないで工夫させてください。どうしてもの場合だけ三角定規のセットの仕方を図のように示してあげましょう。

平行線を引くセットの仕方は下図の通りでいいですか。


はい、よくできました。
*1回ではうまくいかないお子様がいます。その場合一人でセットできるまで繰り返し指導してください。
*セットの仕方をマスターするまで毎日少しずつ練習です。

どんなふうにセットしたか説明してください。

まず平行線の引き方です。
- 図のように両方の三角定規を押さえて左から右へ線を引きました。
- 右の三角定規を上にずらして、線を引きました。これで平行線が出来上がりました。



次は垂直線の引き方です。
- 最初に左側の三角定規で縦に直線❶を引いておきます。
- そのあとは図のようにセットをしたら➋のように横に直線を引きます。
- つぎに定規を上にずらし❸のように直線を引きます。 すると直線❷❸は直線❶に対して垂線となります。


2.平行な辺と垂直な辺の指導法

辺1に対する平行な線を見つけましょう。
ヒントは同じ向きの辺を探すことです。箱はティッシュペーパーの箱で良いと思います。また特に気をつけることは反対側の下にもあることです。

はい、この場合は辺2、辺3、辺4です。


よくできましたね。
次は辺1に対する垂直な辺を見つけましょう。
辺1に対して垂直な辺をさがす場合は90度になっている辺を探してください。ただし辺1に触れていない辺は垂直とはいえません。

辺1に触れている辺で垂直になっているのを探せばいいのですね。
この場合は辺2、辺3、辺4、辺5です。


その通りです。
3.平行な面と垂直な面の指導法

面1、面3、面5に対する平行な面を見つけましょう。
ヒントは反対にある面を探すことです。

面1に対して面2、面3に対して面4、面5に対して面6の3組あります。




はい、よくできました。つぎは上側の面に対する垂直な面を見つけましょう。
ヒントは上側を真上から見て箱を手で支えたところです。

手で支えるときは両脇を支えるので支え方が2通りあるます。よって垂直な面は4面となります。


4. ねじれの位置の指導法

こんどはねじれの位置の定義についてです。2つの直線が交わらずかつ平行でもない位置関係をねじれの位置といいます。
辺ABに対するねじれの位置にあたる辺の見つけてみましょう。


はい、頂点Aに触れている辺を除きます。


はい、頂点Bに触れている辺を除きます。


はい、辺ABに平行な辺を除きます。


除いて残った辺が辺ABに対するねじれの位置にあたる4つです。この4つの辺は延長しても辺ABとは交わりません。みなさん、よくできましたね。

5.まとめ
道具は繰り返すほど上手に使えるようになりますので少しずつ時間を割いて練習しましょう。
三角定規がうまく押さえられないときはご父兄が手を添えてあげると上手に引けるようになり達成感を感じられるようになります。
平行な面、垂直な面はティッシュペーパーボックスで簡単に指導ができますのでやってみましょう。説明のあとは必ず質問をしてください。指さし確認でOKです。
例えば、この辺に対して平行はどの辺? この面に対して垂直な面はどの面?これらの質問は毎日するといいと思います。
ねじれの位置は中学で学習しますがそれほど難しくはないので頑張りましょう。