新学習指導要領によって小学生の英語の授業が必修化され3,4年生は週1回、5,6年生は週2回行われています。
単語や文章は日常生活で必要なもので中学では出てこない単語も学習します。
3,4年生は聞く、話すが中心で英語になじむことがメインテーマのようです。5,6年生なると読むこと、書くことがプラスされます。
小学生で英語が学習できる環境になるなんて以前では考えられませんでした。素晴らしいことだと思いますが、いざ他国の教育事情を知っていしまうと少し物足りません。
例えば、1990年代のシンガポールでは小学生から中国語、英語を学習していましたし、ベルギーから交換留学生で来た高校生はフランス語はもちろんのこと、英語、ドイツ語ができました。
また、スウェーデンの人々は英語をきちんと勉強すると1年間で日常会話をマスターするとも聞きました。
日本語とラテン系、ゲルマン系との言語形態は全く違います。ラテン系、ゲルマン系の人々は単語を覚えるとたやすく文章が組み立てられるのでしょう。
私が望んでいることがひとつあります。それは日本人の考え方と英語圏の人たちの考え方、表現の違いを学習しつつ英語のコミュニケーションを学べればもっと滑らかなコミュニケーションがとれると思います。
それゆえ、人格形成ができつつある5,6年生に考え方、表現法の違いを教える講座があってもいいのではないかと感じています。
こういうことをふまえて、今回は昔の日本語にはなかった英語の無生物の主語の用法を考えていきたいと思います。
ちなみに、この表現法は明治時代に入ってきたと言われています。このような表現法ができてこそ英語らしい英語が話せるようになりますし、聞き取りにも役に立つと思います。
そしてさらに、この記事では日本語とは違う表現法をいくつかご紹介をしたいと思います。
これらをマスターすることで、無生物の主語をより一層理解されることを望みます。
1. 無生物の主語の日本語編
人ではないものを主語にして誰々に何々をさせるという文を英語圏の人は使っていますが日本語では何々すると何々になるのように、なるという自動詞になります。つまり、日本語では自然とそうなってしまうという表現法です。
英語では何かが原因で人の感情、身体を揺り動かしてしまうと考えます。要するに、原因があって結果がある考え方なので日本語とはだいぶ違いますね。
では早速日本文の違いをみていきましょう。
- 日本の人:私はそのニュースに驚いた。
- 英語圏の人:そのニュースは私を驚かせた。surprised
- 日本の人:私は駅まで歩いて10分かかります。
- 英語圏の人:10分の歩きが私を駅にもたらします。bring(変な日本語ですが、このように考えます。)
- 日本の人:どうしてあなたはニューヨークに着たの。
- 英語圏の人:何があなたをニューヨークにもたらしたの。bring
- 日本の人:彼は仕事でニューヨークにいきます。
- 英語圏の人:仕事は彼をニューヨークに連れていきます。take(これも変ですが、あくまで発想法の違いです。)
- 日本の人:どうして彼女はそんなに怒ったの?
- 英語圏の人:何が彼女をそんなに怒らせたの? make
- 日本の人:私はこの情報を聞いてロンドンを思い出しました。
- 英語圏の人:この情報は私にロンドンを思い出させました。remind
- 日本の人:彼のコートは暖かい。
- 英語圏の人:彼のコートは彼を暖かく保ってくれます。keep
- 日本の人:日本の野球選手たちは世界で有名になるだろうと、新聞に書いてある。
- 英語圏の人:新聞は言っている、日本の野球選手たちは世界で有名になるだろうと。say
*発想法の違いをもたらす動詞を覚えましょう。
- surprise:驚かす
- make:~させる
- say:書いてある
- bring:もたらす
- remind:思い出させる
- take:連れていく
- keep:保つ
2. 無生物の主語の英語編
今度は日本文と英文の違いです。ずいぶん違いますね。
- 日本の人:私はそのニュースに驚いた。
- 英語圏の人:The news surprised me.そのニュースは私を驚かせた。
- 日本の人:彼は仕事でニューヨークにいきます。
- 英語圏の人:Business takes him to New York. 仕事は彼をニューヨークに連れていきます。(これも訳は変ですが、あくまで発想法の違いです。)
- 日本の人:どうしてあなたはニューヨークに着たの。
- 英語圏の人:What brought you to New York?何があなたをニューヨークにもたらしたの。
- 日本の人:どうして彼女はそんなに怒ったの?
- 英語圏の人:What made her so angry? 何が彼女をそんなに怒らせたの?
- 日本の人:私はこの情報を聞いてロンドンを思い出しました。
- 英語圏の人:This information reminded me of London.この情報は私にロンドンを思い出させました。
- 日本の人:彼のコートは暖かい。
- 英語圏の人:His coat keeps him warm.彼のコートは彼を暖かく保ってくれます。
- 日本の人:日本の野球選手たちは世界で有名になるだろうと、新聞に書いてある。
- 英語圏の人:The newspaper says Japanese baseball players will be famous all around the world. 新聞は言っている、日本の野球選手たちは世界で有名になるだろうと。
3. 無生物の主語の練習問題
次の文を無生物の主語を使った英文にしましょう。解答は見出し5にあります。
1.私はその交通事故に驚いた。→その交通事故は私を驚かせた。
2.このバスに乗るとスカイツリーに行けます。→このバスはあなたをスカイツリーに連れて行ってくれます。
3.この映画を見ると幸せな気分になる。→この映画は私を幸せにさせる。
4.この写真を見ると自分の幼少期を思い出す。→この写真は私に幼少期を思い出させる。
5.このセーターを着ると暖かいです。→このセーターは私を暖かく保ってくれる。
4. 発想の違い
私たちがイメージする英語と現実の英語の違いについていくつか紹介したいと思います。
come とgo:意味は来ると行くですね。でも違う場合があります。
まずは、日本語の会話です。コンビニの前で待ってるよ。わかりました。すぐに行きます。返事をするときに I’ll go soon.と言ってしまいがちですが、I’ll come soon.です。
come の意味は相手に近づくでgoは相手から遠ざかるです。
なぜお金はhow muchなのか:私たちは日常生活でお金を数えると言うフレーズをよく使ったり耳にしたしています。
すると、英語のいくらですかは一瞬 how manyかと思ってしまいますが学校で何度も how muchと学習していますので自然に how muchと口ずさんでいます。
実は、お金に関してはhow muchは砂金の量がどれくらいたくさんあるかという意味で使われ始めたらしいです。 そのほか純粋に量だけを聞きたい場合にもhow muchは使われます。
What time is it now?:一度通りすがりの人にDo you have the time?と聞かれたことがありました。
聞きなれないフレーズでしたが、とっさに腕時計を見せたら Thanks.と言って去っていきました。
こんなフレーズを使う人もいるんだなと不思議な気持ちになりました。これが Do you have a time?だと時間ある?と変化しますから大変です。
Haven’t you ever been to America? Have you ever been to America?の答え方: 訳はアメリカに行ったことがありませんか、アメリカに行ったことがありますかです。
日本語で考えたときは行ったことがありますかに対してあればYes,なければNo,ですね。
ところが、ありませんかの場合、いいえあります、はいありませんと答えますよね。
そういうわけで日本語から考えて訳していくと間違った答えをしてしまいます。英語ではどちらの質問でも行ったことがあればYesで行ったことがなければNoです。とても合理的な考え方です。
one of themの考え方:日本ではスポーツでも先進技術においてもすべての分野で1番を決めたがりますが、英語圏では最高に素晴らしい人がたくさんいたり、すばらしい技術があったりと横並びの考え方です。ですから、その中の一人、その中の一つと考えています。
いわゆる、日本の人はピラミッド型を考えますが、英語圏の人はフラット型を考えます。
英文例:He is the best tennis player in the world. (日本的思考)He is one of the best tennis players in the world.(英語圏思考)ただし、記録が数字化されて1番、2番と決められることはあっても、この傾向は一般的なお話の場合です。
Do you mind if I smoke?:この文は一般的にタバコを吸ってもいいですか。と訳されていますが英文に忠実に訳すとタバコを吸うことを気にしますかです。日本語だとYesはいいですよになります。Noはだめですを意味しますね。
ところが、気にしますかと聞かれていますので気にしませんはNoです。反対のYesは気にしますになります。
こういう理由によりDo you mind ~?と質問されたときはOKならNoと答える習慣を付けましょう。いやだったらYesです。
Why don’t you go fishing? :直訳しますと、なぜあなたは釣りに行かないのですかとなりますが、実は提案の文でもあり、訳は釣りに行きませんかです。
これと同じ表現がもう一つあります。Why not go fishing?です。かなり簡単にしてある表現ですね。
Why don’t we go on a hiking?:みんなでハイキングに行きませんか。youがweになっていますのでみんなでというニュアンスがあります。これと似た表現はShall we~?やLet’s~でしたね。
frontとback:表と裏、これは家を考えてみてください。正面玄関の位置はfrontで裏庭がある場合はそこをbackyardなどと呼ばれています。
ところが、コインは表がhead(頭)で裏はtail(しっぽ)です。動物を考えればなんとなくそうかなと思います。
ですがコインの表はよく顔がみられますし、裏にはしっぽはありません。このことは何となくすっきりしません。
5. 練習問題の解答
*英文の解答です。
- The traffic accident surprised me. 驚かせた
2.This bus takes you to Tokyo Sky Tree. ~を~に連れていく
3.This movie makes me happy. させる
4.This picture reminds me of my childhood. ~に~を思い出させる
5.This sweater keeps me warm. ~の状態に保つ
6.まとめ
今回は無生物の主語の用法と発想が違う表現の例を挙げてみました。
無生物の主語の用法で使われるsurprise、make、say、take、bring、remind、keepなどの動詞を辞書でもう少し調べてみてはいかがでしょうか。
また、発想の違う表現や普段あまり使わない仮定法などを覚えると英語に親しみを覚えるようになります。
つまり、英語特有なものを自分のものにしている感覚が芽生えるからでしょう。英語上達の一つのアプローチとしてとらえていただけたら幸いです。