【高校受験】過去形と現在完了形の意味の違いと使い方

これら3つの文を訳してみます。私は１年前にペンをなくしました。私は先月ペンをなくしました。私は今朝ペンをなくしました。これらの過去の文はいつ何を失くしたかという事実を伝えているだけで見つかったかどうかはわかりません。

だからそのあと見つかった、見つからなかった、それでどうしたのとか質問するときがあるのですね。

その通りです。

過去形はいつ失くしても現在見つかったかどうかは不明です。

下図を見るとなお一層わかりやすいです。

I have lost my pen.この文は現在完了で現在の状態を強く表現しています。あるとき失くしてしまって今も見つかっていない状態ですと言いたいのです。

かみ砕いて言い換えれば、I lost my pen and I still don’t have it now. で表現できます。つまり過去形と現在形で表現したものを1つの文にしたものが現在完了です。

つぎは継続の用法をみていきましょう。

I lost my pen last month. ⇒ I still don’t have it.　先月失くした ⇒ 今もない

このようなときに継続の用法を使います。２つの文をまとめてみます。

I have lost my pen since last month.　先月からペンがない。

～からという起点を示す場合はsinceを使います。

また期間を表す場合はforを使います。例文を挙げてみます。

I have lost my pen for a month.一か月間ありません。

つぎは経験の用法をみていきましょう。

onceやbefore、everやneverが文に添えてあれば経験の文と判断できますね。

例文を作ってみてください。

はい、わかりました。

I have visited England once.(かつてイギリスを訪れたことはあります。）

Have you ever been to America？（今までにアメリカを訪れたことはありますか。）

I have never played the guitar.（一度もギターを弾いたことがありません。）

よくできました。

visitedはhave(has) been toに書き換えられますよ。

質問があります。

have(has) been toとhave(has) gone toはどう違うのですか。

have(has) been toは行ったことがある、つまり行って帰ってきた。

have(has) gone toは行ってしまった、要するにここにはいない。

例を挙げてみます。

He has been to Singapore.彼はシンガポールに行ったことがある。（行って帰ってきた。）

He has gone to Singapore.彼はシンガポールに行ってしまった。（帰ってきていない。）

理解できましたか。

はい、できました。もう一つ質問があるのですがいいですか。

この前、留学生に否定疑問文で質問されたのですがとっさのことで答えに迷ってしまいました。

それは次のような質問です。

Haven’t you ever been to America?(アメリカに行ったことはないですか。）

このHaven’ｔが気になってしどろもどろになってしまいました。

これは否定疑問文といいまして～ではないですかという聞き方です。

では日本語の質問と受け答えについて考えてみましょう。

質問：アメリカに行ったことはありますか。

受け答え：はい、あります。いいえ、ありません。

つぎは先ほどの否定疑問文です。

質問：アメリカに行ったことはありませんか。

これに対して日本語で答え方を言ってみましょう。

ちょっと考えさせてください。うーむ。

行ったことがあると答えたいときはいいえ、あります。

行ったことがないときははい、ありません。

これで合ってますか。

はい、合ってます。

日本語はありませんかに引きずられてこうした答え方になってしまいます。

しかし、英語は違います。ありますか、ありませんかと質問されても行ったことがあればYes、行ったことがなければNoです。これは合理的な考え方ですね。

するとHaven’t you ever been to America?(アメリカに行ったことはないですか。）に対する答え方は次のようになります。

行ったことがあるときはYes,I have.

行ったことがないときはNo,I haven’ｔ.

これですっきりしました。