【5年生基礎】対角線から三角形の数で内角の和を求める公式や対角線を求める公式まで踏み込みました

算数

今回は円と分度器使って正多角形書き方について考えてみました。そこから対角線を引くことで三角形の数から内角の和にまで考察し公式へとたどり着きました。

更には多角形に対角線を引くことで多角形と1つの頂点から引ける対角線のを求めました。それを表にすることで関係性を明らかにして対角線の数の求め方にまで発展させました。

内角の和と対角線に興味のある方はどうぞご覧ください。

1.正五角形の書き方

正5角形の書き方(分度器の使用)

お母さんとサラちゃんの会話

正5角形の書き方を円と分度器を使って書いてみましょう。

図のように正5角形は二等辺三角形が5つで構成されています。ブルーの部分の三角形を見てください。

半径と半径ではさまれた角度は72°です。円は360°ですから5でわったものが72°です。よって頂角が72°の二等辺三角形であることがわかりますね。

分かります。

次は分度器のセットの仕方です。

初めに①と中心に向かう線を引きます。それに沿って分度器を置き、円の中心に分度器の中心がくるようにセットします72°を測ったら➁と印を付けてください。

つぎは②と中心に沿って分度器をセットして①と同様に72°を測ったら円周に③と印をつけます。

このようにして③、④、⑤と印をつけます。最後に印を線で結べば正五角形ができます。

      

2.二等辺三角形の底角から考えた5角形の内角の和

角度はご覧の通り底角が54°の二等辺三角形5こが集まって正5角形になっていることがわかりますね。それでは中心に向かう線を消してみましょう。1つの内角は三角形の底角54°が2つ集まったものですね。

すると、1つの内角は108°になりました。それが5つあるわけですから108×5=540となります。したがって、5角形の内角の和は540°となります。

3.対角線によってできた三角形の数から考えた内角の和

頂点から対角線を引いて内角の和について考えてみましょう。5角形は1つの頂点から2本対角線が引けます。すると三角形が3つできましたね。よって、三角形の内角の和は180°なので180×3=540 5角形の内角の和は540°になりました。

その他分かったことがあります。1と3の三角形は合同(ぴったりと重なる)な二等辺三角形であることがわかります。2は1と3とは形が変わりますが二等辺三角形です。

さらに三角形の数から内角の和を考えてみましょう。サラちゃん、どんなことが分かりますか。

はい。5角形は1つの頂点から引いた線によって3つの三角形に分けられ、6角形は4つ、7角形は5つに分けられます。それぞれの多角形の数から2を引いたものが三角形の数になることが分かります。これも表を作ってみて確信しました。

そうですね。N角形の三角のできる数は(Nー2)こです。1この三角形の内角の和は180°ですから(N-2)×180で多角形の内角の和が求められることがわかりました。家族みんなで公式を使って次の問題を解いてみましょう。(解答は5のまとめの後にあります。)

①5角形の内角の和

➁6角形の内角の和

③7角形の内角の和

④8角形の内角の和

⑤9角形の内角の和

4.多角形の対角線の数と公式

多角形の対角線は何本あるかを考えてみましょう。

5角形は1つの頂点から対角線が2本引けます。

それでは6角形は何本引けますか。また7角形は何本引けますか。(下の図を参考にして考えましょう。)

6角形は3本、7角形は4本対角線が引けます。図と表を作ってみました。

こうすると、いろいろな関係性が分かりやすいです。

表から分かったことを発表します。5角形、6角形、7角形から3を引いた数が1つの頂点から引ける対角線の数になっています。だから、N角形の頂点の数から3を引いた数が1つの頂点から引ける数だと思われます。よって、N角形の1つの頂点から(N-3)本の対角線を引くことができる公式が導き出されました。

これらの図や表から導き出した考えは実にすばらしいです。これを利用すると、N角形の対角線の数はNこの頂点があるので頂点の数(Nこ)×1つの頂点から引ける対角線の数になるはずです。

自分の図で線を引いたら反対側からも引けました。全部2本ずつになってしまいました。

そうですね。対角線は反対側からも引くので結果的に2回ずつ引くことになります。したがって÷2となります。

まとめるとN角形の対角線の数=N×(N-3)÷2で求められます。これはとても大切な公式です。是非覚えておいてください。家族みんなで公式を使って次の問題を解いてみましょう。(解答は5のまとめの後にあります。)

 ①5角形の対角線の数

 ➁6角形の対角線の数

 ③7角形の対角線の数

 ④8角形の対角線の数

 ⑤9角形の対角線の数

5.まとめ

対角線を引きそれによってできた三角形の数から内角の和を求めることができました。そうすることで内角の和を求める式ができました。

N角形の内角の和の公式:(N-2)×180

また、多角形をいくつか作ることで対角線の増え方を検討しました。それによって対角線の数の公式も導きました。

N角形の対角線の数の公式N×(N-3)÷2

内角の和や対角線の数は中学生になっても学習しますができれば5年生までにマスターしましょう。

3の練習問題の解答

①内角の和  (5-2)×180=540 (度)

➁内角の和  (6-2)×180=720 (度)     

③内角の和    (7-2)×180=900 (度)

④内角の和    (8-2)×180=1080 (度)

⑤内角の和  (9-2)×180=1260 (度)

4の練習問題の解答

①対角線の数 5×(5-3)÷2=5(本)     

 ➁対角線の数 6×(6-3)÷2=9(本)    

 ③対角線の数 7×(7-3)÷2=14(本)     

 ④対角線の数 8×(8-3)÷2=20(本)     

 ⑤対角線の数   9×(9-3)÷2=27(本)